今年3月、読売新聞社から『煌浪の岸(こうろうのきし)』という小説が出版された。
舞台は、明治期から大正期にかけての小樽。
煌浪亭という格式高い料亭を中心に、さまざまに絡み合う男女の心と、それを取り巻く情景とが丁寧に描かれている。
作者は蜂谷涼さん。
柔らかな華やかさ。
真っ直ぐな視線。
しなやかな強さを感じさせる女性だ。
東京でコピーライター、シナリオライターとして働きながら、平成4年頃から小説を書き始めた。
時代小説を書こうと思ったのも、小樽という土地を選んだのも、ただ単に郷愁からではなく、舞台としてのこのまちに、大きいスケールを持っていた時代に、『惚れた』からだという。
これからも好奇心の赴くまま、たくさんの『恋愛』を掴んで、わたしたちに見せてほしい。 |