観光は、人々の心や人生を豊かにし、地域の経済発展や雇用の促進につなげ、市民のくらしを豊かで実りあるものにします。
一方で多くの観光客が訪れることで起きる、市民生活への影響などの観光課題もあります。
ここでは、観光が私たちのくらしや産業・経済とどのように関わっているのかをご紹介し、持続可能な小樽観光を市民と一緒に考えます。

小樽の現在と未来

小樽市は毎年人口が約2,000人減少しています。このまま進むと2050年には…

人口が半分に減少し、高齢化率は53.1%となる推計です。
地域の経済が縮小し今の生活を維持することが難しくなります。

観光は小樽経済の牽引役!

減少する人口を補う対策のひとつとして、観光客などの交流人口を増やすことが大切です。

インタビュー

 大学進学で小樽を離れ、約30年後にUターン。本業の社会保険労務士のかたわら、通訳案内士(中国語)やおたる案内人マイスターの資格をいかし、地域貢献のため観光ガイドなどのボランティアをしています。まわりには小学生や高校生のボランティアも多く、観光を通して地域への愛着が深まり未来を担う力になってほしいですね。

〈 観光ボランティア 加藤久善さん 〉

 観光客が増加したことにより、ホテル建設や観光施設の新築・改築などの仕事が増えています。関連会社で稲穂の屋台村の経営も行なっていますが、地元と観光客の割合は約5対5。地元の方と観光の方が仲良く話している光景をよく目にします。そのまま2次会で花園町に流れてもっと経済効果が出るよう力を入れていきたいです。

〈 市内建設業・西條産業 〉

くらしやまちづくり、交通

私たちのくらしにつながる観光

観光客が訪れることで、まちが活気づきます!

インタビュー

 観光客のご利用は鉄道による地域の観光事業全体の活性化につながり、当社の大切な収入源であると考えています。札幌や新千歳空港と結ぶ快速エアポートの指定席のご利用も多く客単価の増加にも寄与しています。また、安全確保やサービス向上のため警備や通訳、案内スタッフ等の雇用増、駅構内のテナント様からも飲食店の売り上げ増、後志地域の産品の販売を通じた商品の認知度向上や生産者にお金が回ることで地域貢献していることを実感しているという声もございます。

〈 JR小樽駅 〉

 今年4月に新千歳空港線の運行を開始しました。こちらはぜひ、地元の方にもご利用いただければと思います。また、市内線では、特に冬の利用が増える天狗山線とおたる水族館線の2路線を、今年12月から増便(冬期間のみ)しますので、普段ご利用の皆様にも便利です。他にも、小樽ターミナルに発車時刻や運行状況を確認できるモニターを設置。観光需要の増加は、市民の皆様の利便性向上にもつながっていると思います。

〈 北海道中央バス 〉

市民生活に生きる観光

「はんこ」が外国人に人気

 店舗内で行う落款(石のはんこ)の製作体験に、海外から観光で訪れている方の参加も多く、「特別な体験ができた」と喜ばれています。人口が減り、はんこの需要自体も減っている昨今、観光客の製作体験は売上の大きな要。様々な国の方との異文化交流を楽しんでいます。

インタビュー写真

稲穂・松田印判店
松田 有未さん

半分位が市外からのお客様

 ここ10年でお客様の層が大きく変わりました。地元の方中心の市場が閉鎖するなどのマイナス要因を、今は売上の半分位を市外客増加で補っています。創業約110年になりますが観光のお陰でこれからも長く小樽で続けていきたいです。

入船・大八栗原蒲鉾店
会長 栗原 康さん

商品の増産やスタッフの増強

  地元のお客様のほか、近年はSNSでの情報発信による効果や、市外、道外、海外から観光で訪れるお客様の需要が増え、商品の増産が必要になっています。職人を育成しながら増員し、本店や支店の販売スタッフも増員するなど、製造、販売体制を充実させています。

花園・みなともち
社長 中山 豪さん

恩恵は販売と外国人との交流

  都通り商店街全体で、飲食・物販など多くの業種で観光客の恩恵を受け、店舗の持続可能性が高まることで市民にも利便性が高まります。当店では、外国人観光客に「どちらの国の方ですか?」と必ずお聞きします。市民の皆さんにも観光客との交流をおすすめします。

小樽都通り商店街振興組合 理事長
スズキ洋品店 社長 鈴木 創さん

願いは堺町から全市に広がること

  観光のお客様が多い堺町通りに店を構えて14年。コロナの時には一人もお客様が来店されなかったこともあり、地元のお客様に助けられました。今の堺町のお客様が都通りや花銀など、他の商店街に流れて小樽全体が盛り上がってくれるといいですね。

堺町通り商店街・小樽たけの寿司
武田 賢一さん 紗智さん ご夫妻
(賢一さんは平成4年千葉県より移住)

観光の力でガラス工房が安定

  小樽市内のガラス工房は観光に支えられている工房がほとんどです。観光の力でガラス工房を安定的に営むことができ、それにより市内の全小学6年生を対象にした卒業記念ガラス体験を実施できました。

祝津・KIM GLASS DESIGN
木村 直樹さん
(平成16年北見市より移住)

持続可能な観光都市へ

小樽観光の課題と対策

近年発生している一部観光地の混雑やマナー問題などの
観光課題に対応するため、様々な取り組みを行っています。

小樽観光のこれから

市民の皆さんとともに築く
持続可能な観光地域づくり

 私は、「安全・安心なまちづくり」「活気あるまちづくり」「将来を見すえたまちづくり」を公約に掲げ、市民の皆さんとともに歩んできました。観光は、本市の大きな強みであり、地域経済や雇用を支える重要な柱です。昨年度は、7年ぶりに観光入込客数が800万人を超え、宿泊客数も2年連続で過去最多を更新するなど、コロナ禍からの回復と新たな発展の可能性を示す結果となりました。国内外から多くのお客様に訪れていただいていることを、心から嬉しく思います。
 一方で、観光客の集中による交通混雑やマナー問題といった市民生活への影響という課題も顕在化しています。市民生活を守りながら観光の魅力を損なわないよう、宿泊税や国の補助金を活用し、需要の分散、公共交通の改善、マナーの周知など、実効性ある対策を進めてまいります。
 これからの小樽は、「選ばれるまち」として、居住・移住・観光・投資のすべての面で魅力を高めることが必要です。歴史や港、自然といった資源を生かしつつ、「観光がもたらす恩恵」と「市民の安心快適なくらし」の両立による、持続可能な観光地域づくりを、市民の皆さんと力を合わせて実現してまいります。

小樽市長 迫 俊哉

小樽市長 迫 俊哉